今回は失行性失書の話です
失行性失書
文字の形態を完成するために必要な字画・筆順が記録された運動プログラムの障害
内言語障害は認めない
書字動作は極めて緩慢
写字であっても逐次書きをしたり自己修正が見られる
仮名の連続的要素を含む字や曲線部分で困難
いわゆる書字に現れた行為障害である
失行性失書に類似する症状に構成失書がある
違いは図形構成能力が保たれているどうか
失行性失書は図形構成能力は保たれている
今回の症例については失語症,構成障害があり純粋型ではなかったが
文字の模写に比べ,図形の模写の方が保たれていた
このことから,失行性失書例として発表されたと思われた
Baxter ら(1986)がideational agraphia として報告した失行性失書の症例
失語,失読,失行,構成障害がなく,失書については,アルファベット26 文字を刺激とする
書字課題で書取では障害が顕著であったが,写字ではほぼ全ての字を正しく書けた
さらに,構成や描画課題の結果から,
この症例には視空間スキルの障害が認められなかったので,
書字の運動要因のみの障害に起因する「純粋」な失行性失書として,現在まで度々引用される
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